色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年【村上春樹】

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年は日本を代表する小説家村上春樹氏の長編小説として知られています。
この作品では愛知県が舞台となっており、愛知県民にはなじみのある地名などが頻繁に登場します。

過去との決着

主人公の多崎つくるは大学生時代死ぬことだけを考えて日々の生活を送っていましたが、大学を卒業したあとは年上の恋人と付き合いを始めるようになります。
木元沙羅はこれからも真剣に付き合いを続けていくつもりなら正体のわからない何かに間にはいってほしくないということを彼に伝えます。

実は多崎はかつて高校時代の友人四人から絶縁を伝えられたことがあり、今でもそれを自分の中で消化しきることができていませんでした。
彼女はそれを知っていたため彼へ暗に伝えます。
彼は過去に決着をつけるために高校時代の友人を訪ね事態を打開しようとします。

様々な評価がある

村上春樹氏によるこの作品は様々な評価を受けているようです。
最高に面白い作品だと称える声も聞かれる一方で村上氏らしくないと言っている方もいます。

最終的にはっきりとした結論が出ていない、中途半端なまま終わってしまうという内容がそう思わせたのかもしれません。
もちろん、これは読み手側の解釈にもよりますし、人によっては「結論が出ている」と思うのかもしれませんが、やはりいまいち中途半端、という感想を持ってしまう方が多いようです。

また、この作品は推理小説であるとする声があるのも事実です。
確かに、読み進めているうちにそう感じてしまう方が多いのは作品の性質上仕方のないことかもしれません。

はじめの一冊に

村上春樹氏の作品をあまり読んだことがない、これから読んでみたいと考えている方にもおススメできる一冊です。
もちろん、これまで村上春樹氏の作品を読んできたという方にもお勧めできますが、それよりも先入観のない状態で読んだほうがこの作品はより楽しめるのではないでしょうか。

村上春樹氏の作品というのはそれぞれが際立っていますし、一つ一つの作品の性質が大きく異なります。
もちろん、村上テイストはしっかり継承されつつもそれぞれの作品が独立した作品として仕上がっているのです。
そのため、これまで村上春樹氏の作品を沢山読んだという方だと「村上氏らしくない」と感じることがあるかもしれません。
まだ一冊も彼の作品を読んだことがないという方ならそうした思いをすることもないでしょうから、それがはじめの一冊にという理由です。

また、ちょっと普段読んでいる小説とは違った感覚の作品を読んでみたい、たまにはまったく別ジャンルの小説を読んでみたいという方にもお勧めできる作品かもしれません。
新たなジャンルの開拓としてもおススメできる一冊と言えるでしょう。
是非一度手に取ってみてください。