1ポンドの悲しみ【石田衣良】

石田衣良氏によって執筆された1ポンドの悲しみは30代女性の恋愛模様を描いた短編作品集となっています。
様々な恋愛の形が描かれており、女性の切ない恋愛模様や心理状況がみごとに描写されているのはさすがというところでしょう。

ドラマや映画の原作でも人気の小説家

同作品を執筆した石田衣良氏は日本では有名な小説家であり、これまでに直木三十五賞やオール譚物推理小説新人賞など数々の賞を受賞しています。
特に有名な代表作としてはあの池袋ウエストゲートパークがあります。

池袋ウエストゲートパークは彼の代表作でもあり、その後テレビドラマにもなったことはご存じの方は多いでしょう。
この作品こそ彼の代表作でもありデビュー作でもあります。
子供の頃から大変な読書家としても知られており、自宅の近所にあった複数の図書館へ通い詰め毎週のように本を借りていたという逸話があります。
また、図書館で借りる本だけでは飽き足らず文庫本も購入していたというのですから驚きです。

小説家として活躍を始める前にはフリーター生活も経験していますが、母親が他界したことをきっかけに真面目に働こうと考えるようになります。
その後広告代理店でコピーライターとして働きはじめ、やがてコピーライターとして独立します。

作品について

1ポンドの悲しみは30代女性の恋愛模様を描いた作品で、短編作品が複数収録されています。
本が好きという男性しか恋愛対象として見ることができない女性、夫にはまったくときめかないのに夫以外の男性には簡単に心を奪われてしまう妻、同棲がいつ終わってもいいように準備をしているカップルの話など、どの作品も面白さがあります。

女性の切なくも甘い恋愛模様を描いた作品ではありまし、タイトルも1ポンドの悲しみというくらいですから悲しいストーリーの作品が多いのかと思いきや、意外にも前向きな作風が多く平和な結末が殆どという短編集です。
タイトルだけで悲しいストーリーなのかも、と思って購入した方だと少々肩すかしをくらってしまうような作品かもしれません。
そのため、泣ける物語を読みたい、感動したいという方にはあまりおススメできる作品とは言えないでしょう。

登場人物はそれぞれが魅力的ですが基本的に好感を持てる人物ばかりというのも賛否両論です。
もっと毒気が欲しいと評する方もいますし、毒気がないのが良かったという方もいます。
その辺は人によって受け取り方は変わる部分でしょう。

30代の女性ならきっと共感できるような内容ですから一度手に取ってほしいですね。
今現在恋愛しているという女性や、ちょっと変わった恋をしているという方でも感情移入することができると思いますし、どんどん話を読み進めていくことができるのではないでしょうか。